
戸籍を添付しているのに、戸籍とは書かない。
印鑑証明書を添付するのに、印鑑証明書とは書かない。
どういうこと?

嘱託書の添付書類は、
標目(見出し、タイトル)を書きます!
不動産登記法規則34Ⅰ⑥
(申請情報)
第三十四条 登記の申請においては、次に掲げる事項を申請情報の内容とするものとする。
一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先
二 分筆の登記の申請においては、第七十八条の符号
三 建物の分割の登記又は建物の区分の登記の申請においては、第八十四条の符号
四 附属建物があるときは、主である建物及び附属建物の別並びに第百十二条第二項の符号
五 敷地権付き区分建物であるときは、第百十八条第一号イの符号
六 添付情報の表示
七 申請の年月日
八 登記所の表示
(以下省略)
添付書類は、どのように記載するのか?
「標目」を記載します
「標目(ひょうもく)」とは、書類や文書などの項目を示すための見出しやタイトルのことを指します。具体的には、書類やリストの中で特定の内容を簡潔に示すために使われるタイトルや見出しを意味します。
例えば、登記嘱託書の場合、添付する書類の種類を示すために「登記原因証明情報」「登記承諾書」などといった標目を使います。
添付書類 登記原因証明情報 登記承諾書
「一部としての」印鑑証明書は、記載しません。
遺産分割協議書の一部としての印鑑証明書は、嘱託書の添付書類として記載しません。
「添付書類 登記原因証明情報 印鑑証明書」
と印鑑証明書を独立して記載するのは、所有権登記名義人が登記義務者となる場合などです。
登記承諾書の印鑑証明書も、独立して記載していないと思います。
記載するとしても、「登記承諾書(印鑑証明書付)」とカッコ書きで書きます。
この場合の標目(タイトル)は登記承諾書なので、その一部(登記承諾書の附属書類としてのイメージ)である印鑑証明書は書きません。
書く順番は?
下記通達によると、不動産登記法等の条文に記載されている順序に従って記載してください、となっていますが、法務局がHPで示している登記嘱託書・登記申請書の様式例に従って書けばよいと思います。
登記嘱託書の様式等についてhttps://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI80/minji80.html
不動産登記申請手続についてhttps://houmukyoku.moj.go.jp/homu/touki1.html
通達のポイント
- 添付書類を明示することで、登記事務の効率化や合理化が図れる。
- 必要な添付書類が欠けている場合の紛争防止や異議申立への対応に役立つ。
- 申請書には登記を求める事項の後に添付書類を記載し、書類の種類と通数を表示する。
- 誰の承諾書なのかが不明な場合等には、その添付書類を明確に表示することが望ましい。
昭和36年9月15日民事甲第2281号民事局通達
[要旨]
登記申請書には添付する書類を通数とともに表示するのが相当である。
[照会]
登記申請の際に提出する書類を当該申請書に添付書類として記載させることが通例であり、また記載させることが当然のようにも考えられるところ、一部の法務局管内においては、永年の慣行として、これらを記載させないばかりではなく、記載することに反対の意向を示す司法書士等もあるようですが、事務の適性合理化を要請される現在においては、なるべく全国的に統一することが望ましいものと思料せられます。
右につき、本省のご意見を拝承致したく、お伺いします。
[回答]
昭和36年7月19日付日記第408号で問合せのあった標記の件については、当該添付書類をその通数とともに記載させるものを相当と考える。
[解説]
登記の申請の際には、申請書のほか、登記原因を証する書面、登記義務者の権利に関する登記済証、利害関係人の承諾書或いは証明書等、登記の態様に応じて各種の書面の提出が不動産登記法、同法施行細則上要求されている。
ところがこれら申請書に添付すべき書類の標目を申請書中に挙示すべき旨の規定は不動産登記法にも施行細則にも存在せず、従来からの先例にもこの点に触れたものはない。
しかし一般的には実務上の慣行として、添付書類をその通数とともに表示する取扱がなされて来たのであるが、なお一部の登記所に於いては、法令に明示を必要とする趣旨に規定がないことを理由に消極的見解を採っているところもあるようである。
もとより申請書の記載事項等については、全国一律の取扱いをすべきことは当然のことであるので、本件照会を機に添付書類とその通数を申請書に明示すべき旨が通達された。
形式的見地からしても、添付書類の標目が一見して明らかになる様に主たる文書中に明示して置くことは、敢えて法令の規定をまつまでもなく、文書作成にあたっての常識ともいう可く、又登記事務の処理上、前述した如く一件の申請についても相当数の各種書類の添付が必要とされるので、申請書中にその標目と通数が列示され、その順序に従って編綴、提出されれば、事件の調査がより能率的、合理的になされ得るであろう。
更に、必要な添付書類の欠缺の理由に、登記申請を却下した場合に、後日の紛争を防止する手段としても実益があろうし、又必要な書面の添付がないにも拘らず受理登記したとして異議申立があった場合にも、申請書に添付書類を記載することになれば、この解決に役立ち、かつ又登記所の責任も明らかになるものと考えられる。
なお右記載の方法であるが、申請書中登記を求める事項の後に一項目を設け、不動産登記法第35条等に掲記されている順序に従って書面の種類及び通数を表示し、同種の書面が数通添付されて、例えば、何人の登記済証であるか、誰の承諾書か不明確を来す如き場合には、ここの添付書類を明らかに表示することが望ましいであろう。
ただ添付書類の記載は、法律上要求されるものではないので、その記載の欠缺或いは不備を理由に、申請を却下することはできないが、登記事務の効率化及び正確化を企図する本件通達の趣旨に則り、申請人等の協力をもとめるべきものと考えられる。
通数は記載しません
上記通達後の申請書統一様式(昭和39年11月30日民事三発第953号民事局第三課長依命通知)では、通数の記載を要しないこととされました。
登記研究744p176
(7)添付情報の表示
登記の申請と併せて提供すべき添付情報があるときは、その表示を申請情報の内容とすることとされている(登記規則第34条第1項第6号)。
申請人がどのような情報を添付情報として提供するかを申請情報の内容として明らかにすることは、申請人が申請の際にこれを再確認して、適正な申請をすることにつながり、申請人にとっても有意義なことであり、また、登記所においても、その申請の審査がより能率的で正確になることが期待できる。そこで、従来から実務上の慣例として一般的に行われていた添付情報の表示を申請情報の内容とすること(昭和36年9月15日民事甲第2281号民事局長通達・登記研究169号33ページ[解説171号52ページ])、昭和39年8月24日民事甲第2864号民事局長通達・登記研究203号23ページ)について、平成16年の不動産登記法の改正の際に登記規則に任意的な申請情報の内容として規定されたものである。
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