住民票の除票等は “必ず” 添付しなければならないのか?
相続登記をする際に、そもそも住民票の除票等は、“必ず”添付する必要があるのか?を考えてみましょう。
法務局HPにある「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先」住民票の除票又は戸籍の附票の備考欄をみると、
「※「被相続人の登記上の住所」が「戸籍謄本」等に記載された本籍と異なる場合に必要となります。」
と書かれています。
つまり、「被相続人の登記記録上の住所」=「被相続人の本籍」であった場合は、同一性を証する書面を添付する必要がありません。
したがって、住民票の除票等が破棄されている場合であっても、焦らずに「被相続人の登記記録上の住所」=「被相続人の本籍」であるかをチェックしましょう。
「平成29年3月23日法務省民二第174号通達」
被相続⼈の同⼀性を証する情報として住⺠票の写し等が提供された場合における相続による所有権の移転の登記の可否について(照会)
相続による所有権の移転の登記(以下「相続登記」という。)の申請において、所有権の登記名義⼈である被相続⼈の登記記録上の住所が⼾籍の謄本に記載された本籍と異なる場合には、(以下省略)
登記研究748p53
被相続人の同一性を確認するためには、被相続人の氏名はもちろんこと、その住所についても、登記記録上の住所と同一であるか否かについて審査する必要がある。そして、前号において説明したとおり、昭和27年7月1日に住民登録制度が新設され、すべての住民の住所が登録されることに以前においては、登記名義人の住所が本籍地をもって登記されている場合がほとんどであった実情(本誌747号3頁)にかんがみ、登記実務においては、被相続人の登記記録上の住所と相続を証する情報として提供された戸籍の本籍地とが同一であることにより、被相続人の同一性が確認できる場合には、被相続人の最後の住所を証する情報を提供することは要しないとされている(質疑応答3)。
この記事の読み方について
「被相続人の登記記録上の住所」=「被相続人の本籍」であれば、住民票の除票等を添付しなくていいですよと言いたい訳ではありません。
相続登記をするには「同一性を証する書面の添付が必要だと先輩から教わったぞ。でも、ない!」となった場合に、焦らずに考えてみましょう、ということです。
同一性を証する書面の添付が必ず必要なのか?をもう一度考えてみましょう、ということです。
あれば添付したほうが・・・
「被相続人の登記記録上の住所」=「被相続人の本籍」であれば、同一性を証する書面の添付は必須ではありません。
しかし、住民票の除票等があれば、登記記録上の住所に住んでいたことがはっきりするので、添付することにより登記がスムーズに完了するのかなと思います。
(登記官からすれば、「不要な書類は添付するな」となるのでしょうか?以前、イコールであっても、除票が添付されていませんよ、と連絡があったこともあるので、担当官次第なのかなとも思います。個人の感想です。)
次の記事では、「被相続人の登記記録上の住所」≠「被相続人の本籍」の場合について考えてみたいと思います。
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