
年月日の記載は不要。
原本が還付されるのは、調査完了後
年月日の記載は不要
登記研究726p92
質疑応答6(本誌452号114頁)
添付書類の原本還付を受ける場合、原本の写しに「原本と相違ない旨を記載し、記名・押印」すれば足り、年月日の記載は要しない(細則44条ノ11(現行規則55条))。
原本が還付されるのは、調査完了後
登記研究726p96
しかしながら、原本還付の請求が認められる書面であっても、登記官の審査は、あくまでも原本によりするべきであり、したがって、原本の還付は、登記官の審査が完了した後にされるべきであるから、今回の改正においては、原本を還付することができる時期を「調査完了後」とする旨が明らかにされており(規則55条2項)、登記を申請する時に原本を還付することは、一切認められない。なお、この「調査完了」の時とは、校合を担当する登記官が、登記を実行することができるかどうかの判断をした時をいうものと考えられる(前掲平成16年改正不動産登記法と登記実務(解説編)394頁)。
不動産登記規則55条
(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
9 前項の指定は、告示してしなければならない。
商業登記との違い
商業登記の場合、窓口で原本との照合を行い、原本還付をしてくれます。
不動産登記のように、不利益を受ける登記義務者がいない、ことが理由かもしれません。
条文上も、不動産登記のように調査完了後とはなっていません。
商業登記規則
(添付書類の還付)
第四十九条 登記の申請人は、申請書に添付した書類の還付を請求することができる。
2 書類の還付を請求するには、登記の申請書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本をも添付しなければならない。ただし、登記の申請が却下された場合において、書類の還付を請求するには、還付請求書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本を添付し、これを登記所に提出しなければならない。
3 登記官は、書類を還付したときは、その謄本、登記の申請書又は還付請求書に原本還付の旨を記載して押印しなければならない。
4 代理人によつて第一項の請求をするには、申請書にその権限を証する書面を添付しなければならない。
5 第九条の四第四項から第六項までの規定は、第一項の規定による添付書類の還付の請求に準用する。
コメント