登記嘱託書 1/2
権利者 くまのみ市
義務者 くまのみ市〇〇町〇〇丁目〇〇番地
南陽 マンタ
添付書類 登記原因証明情報兼承諾書(印鑑証明書付)
登記嘱託書 2/2
権利者 くまのみ市〇〇町〇〇丁目〇〇番地
くまのみ市土地開発公社(会社法人等番号3456-78-901234)
理事 瀬白 球磨
義務者 くまのみ市〇〇町〇〇丁目〇〇番地
南陽 マンタ
添付書類 登記原因証明情報兼承諾書(印鑑証明書付) 会社法人等番号
南陽マンタはその所有する甲土地と乙土地を、甲土地をくまのみ市へ、乙土地をくまのみ市土地開発公社へそれぞれ売却した。
登記承諾書について、南陽マンタの印鑑証明書を添付する必要があります。
上記嘱託書を連件で提出する場合、2/2に添付する南陽マンタの印鑑証明書について、(印鑑証明書は前件添付)として援用できるのか?
答 できない
ポイントの検討
チェックポイント① 同時に→連件なのでみたす
チェックポイント② 2以上の申請→2件なのでみたす
チェックポイント③ 各申請に共通する→両方とも承諾書に添付する印鑑証明書なのでみたす?
チェックポイント③の検討
1/2の印鑑証明書は、「くまのみ市」が嘱託登記を行ってよいとする承諾書に関して添付したのであり、「くまのみ市土地開発公社」が嘱託登記を行ってよいとする承諾書に関して添付したものではありません。よって、チェックポイント③をみたさない(性質が異なる)と言えます。
※ ここでの理由については、文献等で確認しているわけではなく、個人的な考えを書いています。
もっとも、理由付けはどうであれ、「援用ができない」ことについては間違いありません。
(実務で援用したところ、登記官から援用できない旨の連絡がありました。)
1/2で原本還付の手続きをしたらよいのか?
登記承諾書に添付する印鑑証明書は、原本還付できません。
よって、本事例の場合、印鑑証明書が2通必要となります。
規則37
(添付情報の省略等)
第三十七条 同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。
2 前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。
これまで5回にわたりお届けしてきた「添付書類の援用」に関する記事ですが、今回で最終回です。このシリーズが少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。
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